賃貸を発表
役人に言わせれば、仲買人や卸業者が入ることで雇用が確保されて日本経済のためになる、ということだろう。
なにも他人に飯を食わせるために高い買い物をする気はさらさらない。
ましてや自分の家を建てるのに、建築業者を太らせるために高い金を捨てる気なんて全くない。
だいたい、依頼された業者が、自分の都合で勝手に下の業者に仕事を下ろすのなら、自分たちの利益を削ってでも、契約通りの「坪単価70万円」のグレードを確保すべきだ。
こっちは、「坪単価70万円」の完成予定で契約しているのだから。
もうひとつ、「欠陥住宅」ができる原因がある。
職人の質の低下だ。
かつては、職人になるために、どこかの大工の棟梁に弟子入りし修業したものだ。
丁稚奉公と同じで、それこそ、親方の下着の洗濯から、果てはおかみさんや家族の衣類の洗濯までしながら、大工の技術を学んだ。
カンナ研ぎや道具の手入れをさせられ、長い間の下積み経験の後、やっと1人前の大工職人になっていった。
棟梁たちの衣類の洗濯や小間使いが良いとは言わない。
1人前の職人たちの仕事を毎日見ながら基礎をつくっていたから、職人としての腕はしっかりしていた。
だから良い仕事ができた。
そうした丁稚奉公的な風習は良くないということで、1985年、たしか中曾根内閣の頃だったと思うが、建築業界の徒弟制度は廃止されてしまった。
たしかに、欧米と肩を並べる経済大国に成長した日本が、まだ中世と同じような徒弟制度で家を建てているのはよくないだろう。
たしかに1理ある。
その1理のために、腕のある親方の下で技術を身につける環境はなくなってしまった。
親方が弟子を採って技術を教えなければ、大工職人志望の若者はどうやって技術を身につけるのか。
工業高校の建築科や職業専門学校があるが、卒業しただけで家1軒建てられるわけがない。
ましてや細かい施工などできるわけがない。
結局、学校を卒業した若者たちは、しっかりした技術を持たないまま現場に就くことになる。
技術がないからベテラン職人の手伝いくらいしかできない。
それなのに、仕事を手伝うと、いっぱしの手間賃を要求する・きちんと働いているのだろうから給料を要求するのは悪くない。
正当だろう。
問題は業者の方だ。
悪徳業者は、彼らの手間賃を1人前の手間賃として計上する。
つまり、1人前の職人の給料を支払っているように計算して建主側に要求してくるのだ。
実際にはそれだけの手間賃を支払ってはいない。
ほとんどの建主は、何の知識もないから、相場だろうと思って要求通りの金額で工事請負契約書に署名捺印してしまう。
悪徳な業者は、彼らが半人前ということで手間賃をピンハネしているのだ。
ピンハネされた若い連中は面白くない。
自然と仕事も粗くなり、手を抜いた瑕疵を造るようになる。
1人前の技術を持つ大工職人は、毎年確実に減っている。
減っていく大工職人の人数より、工業高校や職業専門学校を卒業して大工職人になろうとする若者の絶対数が少ないのだ。
当然、職人の質は落ちるし数は減る1方だ。
では、ほかに職人を育成する機関があるかというと、残念ながら、ない。
将来の建築業界が思いやられる。
「欠陥住宅」を造らせない方法 希望は、若い職人がベテラン職人の技術を学び自立することだ。
若者が育たない職業は将来が暗いということである。
若い職人に期待したい。
くれぐれも悪徳業者にだけはならないでもらいたい。
家にとって基礎は人間の足腰と同じだ。
体の重要な部分だ。
基礎を造るのは土木業者である。
どうしたことか、その重要な基礎を造る土木業者の教育育成機関が、この日本にはないのだ。
大変な問題だろう。
建築現場を見て回ると、よく外国人を見かける。
外国人が基礎を造っているのだ。
決して外国人が悪いというのではない。
技術があるのなら全然構わないし、国際交流の観点からも歓迎すべきだ。
業者が外国人を使う理由は賃金が安いからだ。
日本語が流暢ならいいが、そうでなかったら作業にも影響してくる。
意思の伝達のミスで瑕疵ができる可能性だってあるのだ。
土木業者を育成する機関を早く作ってほしい。
こうした構造的な欠陥や建築業界の体質の欠陥が「欠陥住宅」を造っているとも言えるのだ。
工事に着手してから完成するまでの期間を「工期」という。
工事期間の略である。
建築工法には「在来の木造軸組工法」や「2×4(ツーバイフォー)工法」、「軽量鉄骨工法」など種々あって、工法によって工期が違う。
また、建築する延べ床面積によっても違ってくる。
広い面積を仕上げる方が、工期が長いのは当たり前。
延べ床面積100uを木造軸組工法で建築する場合には、およそ4か月かかる。
したがって、設計から完成まで6か月くらいかかる。
建築工事は工程表に従って進む。
工事前に工程表を出してもらい工期を確認しておくことが大事。
工期が短すぎるのは問題だ。
家はそんなに早く完成するものではない。
軽量鉄骨造りなど建築工法によって工期に差はあるが、絶対に必要な工期がある。
すべての工程を消化するのに必要な期間だ。
2〜3日早く完成するのならわかるが、2〜3週間も早く完成するわけがないのだ。
もちろん遅すぎても問題だが、早く完成して喜ぶのは間違いで、どうしてこんなに早く完成したのか疑うのが先だ。
工期が短すぎるということは、必要な工程を省いた可能性がある。
「手抜き」はなにも部材や金物などの「手抜き」だけではない。
「時間の手抜き」もある。
早く完成させるということは「時間を省く」ことだ。
「時間を省く」ことは「工程を省く」ことで、つまりは「瑕疵」を造ったことになる。
ようするに欠陥工事をしたのだ。職人の給料は日割り計算が多い。
ということは、早く家が完成すれば、それだけ職人に支払う手間賃が少なくてすむ。
支払う手間賃を安くあげたいから、業者は早く完成させようとする。
だから、「時間を省き」、結果的に「手抜き工事」をするのだ。
土工事と基礎工事の後、布基礎コンクリートに土台を乗せ、棟上げをして家を造っていく。
基礎を十分に養生し乾燥させてからでないと土台を乗せることはできないのだ。
それなのに、コンクリートを打ってわずか2日後には土台を乗せたりする。
コンクリートは4〜5日の養生期間を与えて乾燥させないといけないのだ。
しかも、養生期間中は、振動を与えることも許されないのだ。
どんな立派な家を造っても、基礎がしっかりしていなかったら砂上の楼閣でしかないのに、時間を短縮しようとして平気でこんなひどいことをやってしまう。
注文住宅なら工程表を見ながら工期をチェックできる。
建売住宅だとそうはいかない。
ただ、建売住宅を購入する場合でも、建築に要した工程表を出してもらった方がいい。
工程表の工期と実際の工期をチェックすることで、ある程度「時間の手抜き」が判断できるからだ。
あまりに早く完成しているようなら、その物件の購入は再検討した方がいいと思う。
ちなみに、完成までに必要以上に時間がかかりすぎた場合も、再検討した方が無難だと思う。
時間がかかりすぎるということはトラブルの可能性がある。
何かの理由で工事に関わった業者が途中で代わったか、あるいは住民とのトラブルか。
それとも大きな事故があったか……。
いずれにしても再考した方がよい。
20〜30年経ち家が古くなったら、戸の締まり具合が悪くなった。
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